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春の行事について知らせたい!鬼・お雛様・入学や進級・お花見の絵本

春は年度の変わり目。成長を喜び節目の季節を感じたり、春ならではの行事やイベントを楽しみたいですね。春の行事やイベントに添えたい絵本をご紹介しましょう。

節分はもちろん、普段から読みたい鬼が登場する絵本

節分は鬼が来るからね、とつい脅し文句のように子どもに言ってしまうことが多いもの。
けれど節分の本当の意味は?鬼って怖い存在?

鬼は天候不順や災害、暴力、病気など、人に災いをもたらす存在の象徴として昔から怖がれてきました。
また、神様が姿を変えたものでは?と大切に思う場合もあります。

節分にはなぜ鬼がつきものなのか、また、鬼の存在を通して気持ちの持ち方や人との関りについて、考えさせられる絵本をご紹介しましょう。

小さな子にも節分の風習を伝えたい!鬼がかわいい絵本

「おにはそと」せなけいこ作・絵/金の星社

節分の鬼の存在が怖くて絵本の中に出てくる鬼でさえ怖がるお子さんがいるかもしれません。
そんなときはこの絵本はいかがでしょうか。

せなけいこさんの優しいちぎり絵の世界では、節分が優しく楽しく描かれています。
小さな子どもの鬼と人間の子どもが仲良くなれると、ちょっとほっとしながらお子さんも共感できるかもしれません。

節分の豆を「おいちいな」と食べちゃう鬼の子ども。
節分のお豆、おいしいよね!なんて笑顔で語らいながら読みたい絵
本です。

 鬼が主人公の世界で、空想と言葉遊びを楽しもう

「ままです すきです すてきです」谷川俊太郎 作・タイガー立石 絵/福音館書店

しりとりのリズムと、イラスト双方で不思議な世界を作り出している絵本。
3歳以下の小さなお子さんでも楽しめます。

初めはただ不思議な世界とカラフルな絵に惹かれ、そのうちしりとりの言葉とイラストがリンクしていることに気づき、最後にはリズミカルなしりとり言葉を自分で読みながら楽しめることでしょう。

もしかしたら鬼の世界ってあるのかな?鬼の世界でも自分たちのような暮らしや優しい世界があるのかもしれない…そんなイメージや夢が広がる絵本です。

本当は人間って鬼を必要としているのでは? 鬼の真相にせまる化学絵本

「鬼が出た」大西廣 作・梶山俊夫 絵/福音館書店

鬼ってなんだろう…怖い存在なのにどうして昔から絵本になったり行事に登場するのかな?大人も子どもも知りたいかもしれません。

そんなときはこの絵本。
鬼本来の姿をさぐっていく『鬼の百科辞典』のようなテーマの絵本です。
鬼の存在は人間とは切っても切り離せない、大切な存在。

鬼という存在が人の心や生活の中にあるから、様々なことに気を付けたり楽しんだりできるのではいか?
そういったことに気づかされるのですが、ただ事実だけをつきつけるのではなく、子どもの心の中には鬼の存在が消えることなく、根付き、語り継がれていくのかもしれません。

入園前の小さなお子さんから、小学校中学年~高学年まで楽しめる絵本です。

地獄と極楽ってどんな世界?関西弁で柔らかな世界観を味わえる本

「じごくのそうべい」田島征彦 作・絵/童心社

子どもは地獄にどんなイメージを持っているでしょう。
壮絶で悲惨で残酷なイメージを持っているかもしれません。

主人公のそうべいは、地獄さえも楽しんでしまえる軽業師。
恐ろしい地獄のイメージが、そうべいのふるまいや関西弁のセリフで、ちょっと愉快なものに変わります。
登場する鬼もそうべいにはびっくり。

はらはらしたり、げらげら笑えたり、わくわくしたりと絵本の楽しさがぎゅっと詰まっていますよ。

読み聞かせをするときは、その世界観を楽しめるように少しだけ声の調子をつけ、関西弁を楽しみながら読んであげたいですね。
きっと盛り上がること間違いなし!

ひなまつりがテーマの絵本は、男の子も女の子も楽しもう

女の子の華やかな行事のひなまつりも、意外と由来は知られていないのではないでしょうか。
どうしておひなまさを飾るの?おひなさまにはどんなものを食べるの?どうして女の子のお祝いなの?などなど、大人も疑問に思うことがいっぱいですね。

日本古来の伝統行事を子どもたちに語り継ぎ、知らせていくことは、なくしたくないもの。
おひなまさについて、絵本で知らせながら親子時間を楽しみましょう。

1年に一度、おでかけできるチャンス!うちのおひなさまも?

「もりのひなまつり」こいでやすくこ 作・絵/福音館書店

ひな壇にちょこんと座っておすまししているお雛様たちも、本当は動きたい、外へお散歩へ行きたいと思っているのかも?と想像がふくらむ絵本。

ひなまつりパーティーに出かけて楽しく過ごしたら、全身すっかり汚れちゃったお雛様たち。
自分のおうちにあるお雛様の着物や顔が汚れていたら、もしかしてお出かけしたのかもしれないね…そんなことを考えて楽しくなるはず。

お雛様を飾る前や、飾ったお雛様の前で読んであげるとより一層身近に感じて愛着を持てるかもしれません。
お雛様のおしとやかで優美な雰囲気を壊さずも、ちょっと身近に感じられる絵本です。

おいしいものは一緒に食べるからおいしいのかも!男の子のにも読みたい絵本

「おひなまつりのちらしずし」平野恵理子 作・絵/福音館書店

日本に伝わる行事食も語り継いでいきたい大切な伝統です。
おひなさまはちらしずしを作るご家庭が多いかもしれませんが、いちから手作りする大変さ、楽しさ、おいしさを教えてくれますよ。

ちょっとしたレシピ本になっているので、一緒に作ってみてはいかはでしょうか。
主人公の男の子はちらし寿司が大好き。
今年はお母さんと一緒にお姉ちゃんも作ると聞いて、不安でたまりません。
一体どんなちらし寿司ができるのかな?

最後にお父さんと洗い物をするシーンも出てきます。
お料理は洗い物も大切だと教えてくれそう。
特に男の子にも読んであげたいおひなさま絵本です。

春は卒園・進級など喜びの季節。絵本を通して成長を喜び合おう!

子どもは今を生きているので、これまでの成長を自ら振り返ることはありません。
親として子どもの成長を実感していることを、絵本を通して伝えてみませんか。

また、大きくなることやできるようになることが増えることを楽しみにできるような絵本も選びたいですね。
子どもと成長の喜びを共感できる絵本をご紹介します。

 おおきくなるってどういうこと?

「おおきくなるっていうことは」中川ひろたか 作・村上康成 絵/童心社

おおきくなるっていうことは、洋服が小さくなること。
新しい歯が生えてくるってこと。
「おおきくなるっていうことは ちいさなひとにやさしくなれるってこと」…!
体の変化、心の変化を具体的に伝えてくれることで、自分もそうだ!大きくなったんだなぁと照らし合わせて実感できます。

そして、まだできていないこともこれからできるようになりたい、そうでありたいと思わせてくれることでしょう。
また、読み聞かせる大人も成長の喜びを再確認できるでしょう。

おおきくなるってどういうことかな?と話したり、子どもの考えを話してもらったり、これからできるようになりたいことを聞いてみたりと、親子での会話がぐんと広がる絵本です。

トイレトレーニング中に読んでみませんか? 子どもの自立を応援する絵本

「はけたよ はけたよ」かんざわとしこ 作・にしまきかよこ絵/偕成社

パンツをうまくはけない主人公の「たつくん」。
そのまま外へ飛び出し、動物たちに見られて笑われます。

パンツに移行する時期、移行したけれどまだうまく履けないお子さん、もうパンツが板についたお子さんへ、読んであげたいですね。
たつくんと一緒にパンツをはく練習をしたり、できるようになったことを実感したり、小さなお子さんにも成長の喜びを感じ、褒められることのうれしさを何度も体験できる絵本です。

できなかったことができるようになる喜びを、親子で喜び、成長を実感しあえる絵本。
登場する動物たちもとても可愛らしくて和みます。

子どもの初めての社会進出!くんちゃんの絵本で勇気をプレゼントしよう

「くんちゃんのはじめてのがっこう」ドロシーマリノ 作・まさきるりこ訳/ペンギン社

幼稚園や保育園、小学校へ初めて行く子どもってどんな気持ちなのでしょうか。
主人公のくんちゃんのようなドキドキと期待でいっぱいのことでしょう。

子どもの緊張が読み手にもよく伝わります。
わからないことは不安なこと。
けれどわかることは楽しいこと!何も知らないままでも、できることや楽しめることがいっぱいあるよ、とくんちゃんが教えてくれますよ。

誰しも新しい環境は、不安や緊張が伴うもの。
けれど学校って知らないことを教えてくれる場所、知っていることを喜んでくれる人がいる場所でもあります。
子どもが自信を持って通園や通学ができるよう、絵本の中のくんちゃんがサポートしてくれますよ。

春は芽吹きの季節、春をどんなところから感じるか、一緒に考えてみましょう

春といえばどのようなことをイメージするでしょうか。
桜、お花見、新芽、入園・入学…様々なイメージが思い浮かぶかもしれません。

子どもが春を感じやすいイメージはどのようなことでしょう。
葉っぱやお花、匂い、空気の暖かさ、風などの自然なのかもしれません。

それとも、新しい環境や知らない友達と仲良くなることでしょうか。
春の出会いをもっと豊かにしてくれる絵本をご紹介します。

ともだちづくりって楽しいな…新しい出会いにドキドキと喜びが重なる絵本

「コッコさんのともだち」片山健作・絵/福音館書店

引っ込み思案で友達ができるか不安な子どもはいませんか。
さみしいきもち、ふあんな気持ち…お父さん・お母さんにも先生にも友達もいえないけれど、何となく保育園や幼稚園、学校へ行くのが怖い、億劫、つまらない、そんな子どもの心が見えたとき、この絵本で寄り添ってみましょう。

どんな子どももみんな友達が欲しいのです。
友達っていいな、仲間って楽しいナ、喧嘩をしてもいいんだ、自分らしくいられる仲間を作ることの楽しさを教えてくれますよ。
コッコさんのような、ちょっとおとなしくて引っ込み思案なお子さんに勇気をくれる絵本。

実は大人だって誰かと知り合い、友達になることはとても難しくてやっかいで、コッコさんとおなじなのですよね…
園や学校で、コッコさんのことを思い出してくれたらいいなと子どもの背中を押したくなるような絵本です。

となりの席の子がなんとなく苦手…けれど本当は仲良くしたいんです

「となりのせきのますだくん」武田美穂 作・絵/ポプラ社

隣の席の子が意地悪…早く席替えにならないかな。
そんなことってありますよね。
ますだくんのことが怖くて怪獣に見えちゃう主人公のみほちゃんや、仲良くしたい子に意地悪しちゃうますだくんが、自分と重なって見える子どもが大勢いることでしょう。

けれど、大切なみほちゃんの鉛筆を、ますだくんが折ってしまってから話は展開していきます。
集団生活って、こういうことがありますね。
嫌な思いをしたりさせたり、それを乗り越え解決してく力をつけていくことこそが、子どもの頃の集団生活の醍醐味であり、勉強でもあるでしょう。

子どもが苦手な友達をことを思い、学校や園へ行きたくないと言ったとき、お父さん・お母さんには何ができるでしょうか。
先生に相談することも大切です。
けれど、意地悪でやんちゃな友達の立場になってちょっと気持ちを考えることも教えていきたいですね。
そんなとき読んでみたい絵本です。

いちごってこんなふうに大きくなるんだ!科学の目を育てよう

「いちご」平山和子 作・絵/福音館書店

春はおいしいいちごが採れる季節。
いちごってどんなふうになるのかな?なぜへたがあるんだろう…そんな風に疑問を抱く年齢はもちろん、いちごが大好きな赤ちゃんにも読んであげたい絵本です。

平山和子さんの絵本は、イラストが写実的。
おもわず絵本にかぶりつきたくなるような瑞々しいいちごが一杯描かれています。
大人が見ても楽しいですよね。

短い文章に子どもの知りたい「なぜ?」がぎゅっと凝縮され、上品な言葉や優しい語り口が心に残る、素晴らしい絵本です。

2月から4月にかけて読んであげたい、春の絵本をご紹介しました

春は大人も子どももちょっとわくわくしたり、どきどきしたりする新し季節。
季節を敏感に感じ、イメージを豊かに持てるような絵本と、新しい世界へ旅立つときに抱えた不安に寄添ってあげられる絵本をご紹介しました。
お父さんやお母さんがお子さんを思う気持ちが、絵本を通して伝わることでしょう。
ご参考にして頂けると幸いです。