これから赤ちゃんが生まれるご家庭に長男・長女のお子さんいれば、お兄ちゃん・お姉ちゃんになりますね! 赤ちゃんが生まれお兄ちゃん・お姉ちゃんになるってどんな気持ちなのでしょう。家族が増える時の気持ちと、少し複雑な気持ちの代弁をしてくれたり、心に寄添ってくれる絵本のをあわせてご紹介します。
目次
お兄ちゃん、お姉ちゃんになるってどんな気持ちでしょう
家族が増えるって何よりも素晴らしいこと。
幸せいっぱいの気持ちとドキドキした気持ちで、家族みんながその日を待っていることでしょう。
これまで一人っ子だったお子さんにも兄弟姉妹ができることがわかると、どんなにうれしい気持ちでいるかわかりませんね。
小さな子どもにとって、ママのおなかが日に日に大きくなり、赤ちゃんを向かえる用意が着々と進む日々というのは、嬉しさの他にも実は微妙な気持ちが共存しているんです。
なんとなくパパ・ママの関心が自分から逸れている気がする、何となくみんなが赤ちゃんにちやほやしていてさみしい、生まれていないのに「お兄ちゃんになるんでしょ?」「そんなんじゃお姉ちゃんになれないよ?」と言われてしまう。
また、周囲の大人からは「赤ちゃんが生まれるの楽しみだね、もうお兄ちゃんだね」と言われてしまうなど…
実は子どもは色々な言葉を受け止めているのです。
本当はとってもうれしいけれど、複雑な気持ちなのは周囲の大人の働きかけや子どもに対する言葉・態度から生まれるのではないでしょうか。
うれしい気持ちや、お兄ちゃん・お姉ちゃんになろうという期待と不安な気持ちの子どもに、パパやママができることや気を付けたいこととは、どんなことなのでしょう。
パパやママが気を付けたいことってどんなこと?
何気なく言ってしまう「もうお兄ちゃんなんだから」、「そんなんじゃお姉ちゃんになれないよ?赤ちゃんに笑われちゃうなぁ」などの言葉。
パパやママは少しでも成長してほしい気持ちから言ってしまうことがありますね。
パパやママが赤ちゃんが生まれてすぐに赤ちゃんのお世話に戸惑い、少しずつ赤ちゃんとの生活を過ごしながらパパらしく・ママらしくなっていったように、お子さんも赤ちゃんをかわいいと思い、みんなで家族の楽しさを共にしながら過ごすことで、お兄ちゃん・お姉ちゃんになっていきます。
言葉によるプレッシャーや、お兄ちゃんになれないよ…?などの言葉は、お子さんがパパやママに大切に育てられ愛されたきた安心感や自信を揺らがせてしまいますね。
また、赤ちゃんが生まれてくるからこんな風に言われてしまうのかな?と赤ちゃんを楽しみにする気持ちが薄れてしまうことにもつながります。
どうか、お子さんに対していつも大切に思っていて、大切な存在であること、赤ちゃんがきたときにどんな生活になるのかイメージできるような言葉がけをし、温かくリラックスした気持ちで赤ちゃんを迎えられるように関わりましょう。
また、赤ちゃんに関する準備や、今の状態などは、子どもにもわかるように説明してあげるのも安心できますよ。
お子さんが使っていた衣類やおもちゃも貸してあげてもいいかな?などとお子さんを立ててあげる言葉がけも、とても喜び幸せな気持ちでいっぱいになるでしょう。
日々のことで忙しく、なかなか言葉がけの工夫などが難しい場合は、絵本を読み聞かせるときに、同じような状況をテーマとしている絵本を選ぶのも良いでしょう。
絵本は心の支えやともだち
具体的な言葉がけやイメージさせる声かけって、なかなか難しいものですね。
そんなときは、絵本を使ってパパやママの気持ちや、赤ちゃんが来てからの生活をイメージさせてみませんか。
お子さんと同じ境遇の絵本を読んであげることで、自分と同じであることに安心したり、うれしい気持ちになったりするはずです。
子どもに寄添ったり、ステップアップを後押ししてくれる絵本との出会い
赤ちゃんが生まれたり、兄弟・姉妹ができてママやパパが忙しくなり寂しい思いをするようなテーマの絵本が、実は多く出版されているんです。
お子さんの気持ちに寄添ったいくつかの絵本をご紹介しましょう。
①あかちゃんがやってきた
あかちゃんがやってきた/角野栄子作・はたこうしろう絵/福音館書店
「あかちゃんが生まれるの」とママが主人公の男の子にこっそり耳打ちするところからお話が始まります。
赤ちゃんがやってくるという期待と不安が男の子を通して伝わってきますよ。
赤ちゃんのものを買い物に行くと、赤ちゃんのものはたくさん買ったのに自分には1個しか買ってくれない…「ぼくより赤ちゃんの方がかわいいのかな」なんて不安な気持ちにもなっていますね。
けれど全体を通して見ると、主人公の男の子は赤ちゃんに嫉妬したり必要以上に不安になったりすることはありません。
それはなぜでしょう。
ママもパパも淡々としていることや、お兄ちゃんになることにプレッシャーをかけなかったからなのではないでしょうか。
お話自体は主人公の男の子の目線で進んでいきますが、大人も快適にすっきりとした気持ちで楽しめる絵本です。
②ちょっとだけ
赤ちゃんが生まれるとお母さんは忙しい!
自分のことはもちろん、上の子どものお世話もままなりません。
主人公の女の子「なっちゃん」にも弟がうまれ、お姉ちゃんになりました。
パジャマのボタンを留めること、牛乳をコップに注ぐこと、これまではみんなお母さんがしてくれていました。
できないことをしてもらおうとお母さんのもとへ行くと、いつも赤ちゃんのお世話をしていて忙しそう。
ならば自分でやってみようと奮闘します。
控えめにわきまえ、お母さんや赤ちゃんのことを考える優しい女の子に育ったのは、きっとお母さんがこれまでたくさんの愛情と時間をかけて育ててきたからにほかなりませんね。
優しさいっぱいに育てられたなっちゃんが何とも切なく、いじらしく、読んでいる方が涙してしまうはず。
この絵本は、これから赤ちゃんを迎えるご家庭のご家族、みんなに読んでい頂きたい絵本です。
お子さんはもちろん、パパ・ママがきっと色々なことを考え、家族の大切さや子どもの愛おしさを感じるはず。
赤ちゃんが生まれる予定があるなら、また、生まれたばかりなら、ぜひ読んで頂きたい絵本です。
③おへそのあな
おへその穴からおうちの様子を見ている赤ちゃん。
生まれる前はこんなふうに見ていたのかな?色々な声や音、においをおなかの中で感じながら生まれてきた赤ちゃん。
もしかしたら忘れているけれど、自分もそうだったのかもしれない、そんなふうにママのおなかの中の赤ちゃんを思ったり、おへそから赤ちゃんをのぞこうとしたりするかもしれません。
赤ちゃんの存在は、お子さんにとって未知の世界。
分からない存在は多少なりとも不安や恐れを感じるもの。
けれど、いつかの自分もママのおなかの中にいたことを思ったり、パパやママとおなかにいた頃の自分の話を聞くことで、赤ちゃんの存在が身近で愛らしく感じるかもしれません。
ママの出産を機に、命の誕生やお子さんの誕生秘話も話せるといいですね。
ちょっとした会話の糸口やきっかけになる絵本。
読み終わったときには、きっとそのお子さんの話になることでしょう。
温かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
④うちにあかちゃんがうまれるの
うちに あかちゃんが うまれるの/いとうえみこ 文・伊藤泰寛 写真/ポプラ社
わたしまなか、6さい。
たなばたさまに、「どうか、うちにあかちゃんがやってきますように」っておねがいしました。
そうしたら、ねがいがかなったのです。
始まりの文章からとても引き付けられる絵本。
自宅出産をするお母さんの様子を、子どもの目線からつづったストーリーです。
「かわいくて かわいくて どうしていいか わからないくらい かわいい」というまなかちゃん。
なぜこんなにも温かで愛おしい気持ちが溢れているのでしょうか。
その背景にあるものは、やっぱりパパやママの関わりなのではないでしょうか。
あとがきまでしっかり読んで頂きたい写真絵本。
小さなお子さんは自分のたどってきた道を、少し年齢が進んだお子さんはこれから自分たちが経験する道を、それぞれに考えることでしょう。
⑤おへそのひみつ
おへそのひみつ/やぎゅう げんいちろう・作/福音館書店
おへそってどうしてあるの?なんのため?という視点から赤ちゃん誕生について学習できるかがく絵本です。
文体は子どもの気持ちに寄添った視点で書かれており、また、イラストが大胆でたくさんあるため、わかりやすい絵本です。
きっとやぎゅうげんいちろうさんの絵本が大好きになるはず。
そして大人もおへそについての秘密を知ることができます。
親子で読みたい絵本。
小学生でも楽しめますよ。
⑥おっぱいのひみつ
赤ちゃんが生まれる頃、まだ断乳・卒乳をしていないお子さんがいるかもしれません。
無理に卒乳を進めることはなく、赤ちゃんが生まれてもふくませたり触らせてもいいんです。
ママは大変かもしれませんね。
けれど、赤ちゃんにとられたという気持ちにならないように、少しずつ離れていくときがくるものです。
そんなお子さんの大好きなママとママのおっぱいについて、こちらも科学的に教えてくれる絵本です。
おへそのひみつと同じ柳生源一郎さんが作者です。
まとめ
赤ちゃんが生まれる時の、お子さんの気持ちについて、またパパ・ママと同じように子どもへ寄り添ってくれる絵本についてご紹介しました。
赤ちゃんが生まれてくることを機に、命の誕生や家族のつながりについてお子さんと話してみるのもいいですね。
温かな気持ちで楽しみに赤ちゃんを迎えられるように、絵本をうまく活用しながら子どもの心に寄添ってあげましょう。