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乳児期から体を動かすメリット
体の発達が未熟な乳児期。自分で体を動かすことやできることは限られています。しかし、その中でも体を動かしたり、代わりに動かしてあげることで得られるメリットがあります。
0歳から2歳は体の土台作りの時期
昨今、子どもの運動能力の低下が叫ばれていますが、外で遊ぶことが減り、家の中で過ごす時間が増えていることが影響していると考えられています。
外で遊んだり、運動をするには基礎体力が必要です。そのためにはまず、体力の土台作りが大切です。0歳から2歳までは体力の基礎や土台を作る段階だと考えられているので、この時期に体に刺激を与え、体の発達を促し、最初の目標として歩けるようになることが大切です。
月齢の低い時から、体に刺激を与えることは中枢神経の発達にも関わる重要なことです。
心の発達も促す
思い通りに体を動かすことができない乳児期は、親のサポートが欠かせません。サポートをする中で、スキンシップがうまれ、子どもの心の発達にもいい影響を与えます。
体を動かし一緒に遊ぶと、情緒が安定したり、大人との関わり方を学んだりすることができます。
その結果、感情表現が豊かになったり、さまざまなもの興味を示したり、心の発達を促すことができます。
赤ちゃんが体を動かしたくなる絵本の選び方
乳児期の月齢によっては、自分の思い通りに体を動かすことができません。
しかし、絵本を通して体で反応を示したり、月齢が上がれば、真似をしてみたりと、絵本を使って五感を刺激することができます。
そんな体を動かしたくなる絵本を選ぶ際のポイントを紹介します。
真似っこが楽しい
生後半年を過ぎるとお座りができるようになる子が多く、座った状態で読み聞かせをすることができます。
そのため、上半身を使った真似っこができるようになります。手を叩いたり、手を振ったり、お腹を叩く真似をしたり、子どもは真似っ子が大好きです。真似をすることで、コミュニケーション能力を身につけています。
絵本を通して真似っこを覚えると、成長するにつれて、興味のある人やモノの真似をするようになり、それが発展して「ごっこ遊び」などに繋がります。
もし月齢が低かったり、まだ上手に真似ができない場合は、子どもの手を取り一緒に体を動かしてあげましょう。体を動かすことで脳が刺激されますし、教えてもらうことで、体の動かし方を学んでいきます。
リズミカルなフレーズがポイント
体を動かしたくなる絵本を選ぶポイントとして、フレーズがリズミカルであることも大切です。
大人も体操や運動をするとき、数を数えたり、リズムに乗って体を動かすことありますよね。それと同じことで、子どももリズムをとったり、数を数えたりすることで、自然と体を動かしたくなります。
読んでいて楽しく、リズムが掴みやすい絵本は体を動かすのにおすすめの絵本です。特に、体操や真似っ子を題材とした絵本には、リズミカルなフレーズが盛り込まれているので、読み聞かせもしやすいでしょう。
単純な動きが楽しい
大人は動きが単調だと退屈に感じることもあるかもしれませんが、子どもは単純な動きが大好きです。まだ、複雑な動きができない子どもにとって、単純な動きは簡単で真似がしやすく、何度も同じ動きを繰り返すことで、体の動かし方を覚えていきます。
逆に複雑な動きは「できない」という意識づけをしてしまうため、子どもにとっては退屈です。簡単な動きや少しがんばれば真似できる程度の動きが、子どもにとっては「楽しい」と感じられるポイントです。
真似をしたり、単純な動きを繰り返すことで、子ども自身が達成感を味わうことができ、心身の発達につながります。
体を動かしたくなる!読み聞かせのおすすめ絵本5選
体を動かしたくなる、おすすめの絵本を5冊紹介します。絵本の見どころや、読み聞かせのポイントについてもまとめました。
タイトル作者見どころポイント効果
ペンギン体操/齋藤槙
表紙、絵本の中まで黄色一色が目を引く絵本です。主人公はペンギン。水族館や動物園にいることから、子どもも興味を持ちやすくなっています。
また、視覚が未熟な子どもにとって、原色やモノトーンは認識しやすいのも魅力です。
物語はペンギンの体操。「ぺんぎんたいそう はじめるよ」「いきをすって~ はいて~」とリズミカルに読めるフレーズが、思わず体を動かしたくなります。
また、ペンギンを見ながら子どもが真似しやすい動きになっていて、読み終えた後にはペンギン体操を親子で始められます。ペンギンのユニークな動きがかわいらしい一冊です。
パンダかぞえたいそう/いりやまさとし
「パンダかぞえたいそう」もモノトーンや原色がメインで、子どもが集中して見ることができます。
パンダが1から10まで数えるなかで、簡単な動きを交えて、体操をしていきます。
この体操も両手を上下に動かして、にわとりの真似をしたり、顔に両手をあててイチゴになりきったり、単純で真似がしやすい動きが多く、子どもも思わず一緒に体操を始めます。数を数えながら進むので、次はなにかなと子どものワクワク感も高まります。
パンダ体操はシリーズ化されており、親子体操やオリンピック体操、なりきりたいそうなど年齢や興味に合わせて、楽しい体操ができる絵本です。
ぶたさんたいそう/くわざわゆうこ
3匹のコブタが主人公で、性格の違う3匹が楽しく体操をして笑顔になっていきます。
絵本では主にブタさん言葉が使われており、擬音語や擬態語はリズム感があり、子どもの耳に残りやすく、言葉の発達にもいい影響を与えます。
月齢によっては真似ができない動きもありますが、そんなときは代わりにパパやママが動かしてあげましょう。そうすることで、体の動かし方や発達を促しますし、子どもは動かしてもらうだけでコミュニケーションを取っているとも感じます。
小さいときからコブタと一緒に体操をしていると、できなかったことができるようになり達成感を感じられる絵本です。
まねっこたいそううさぎちゃん/塚本やすし
元気いっぱいのうさぎちゃんが、さまざまな動物の動きを真似して体操していきます。
本当に元気なうさぎちゃんは、思いっきり真似っこをするので、全ての真似を一緒に行うと、なかなかの運動量です。雨の日や外出できないときに、おすすめです。
また、このまねっこたいそううさぎちゃんは、最初のページに楽譜がついています。楽しく歌って、体操できる絵本となっていて、リズミカルに体を動かすことができる絵本です。
あかちゃんたいそう/鈴木まもる
赤ちゃんと動物がスキンシップや体操を楽しむ絵本です。
真似をして体を動かすのも簡単ですが、スキンシップ程度の動きも含まれるので、思い通りに体を動かすことができない月齢の子どもでも楽しむことができます。
また、スキンシップは親子の触れ合いにもなるのでおすすめです。登場人物が赤ちゃんと動物ということもあり、子ども自身も親近感をもち見ることができます。
まとめ
体を動かす絵本を探してみると、意外にも多くの絵本があります。体操やスキンシップを題材にした絵本を探すと、目的のものが見つかるかもしれません。
乳児期にできる運動は限られていると決めつけず、だからこそ、親子のスキンシップも図れるとプラスに捉えてみましょう。
また、体を動かすことで子どもの情緒が安定し、体力の土台作りにも役立ちます。是非、スポーツの秋に赤ちゃんと一緒に絵本を使った、運動をしてみましょう。