絵本の読み聞かせっていつまでしても良いのでしょうか。もう自分で読めるのだから自分で読んだ方がいいのでは?そう思うこともありますね。ですが、自分で読める年齢になっても保護者が読んであげることがコミュニケーションのひとつになるのです。年齢や興味にあった絵本、ストーリーがあって長いけれどぜひ読んであげたい本をご紹介します。
目次
大きくなったのに読み聞かせる必要性ってあるの?
小学生になった子どもは、自分で文字を読めるようになり絵本も自分で読めるようになります。少しずつ「読んで」と子どもから言ってこなくなったり、逆に「読んで!」とせがまれても、自分で読めるでしょう?と読んであげなくなってしまったという保護者の方はいないでしょうか。
実際のところ、絵本の読み聞かせとは何歳頃までするものなのでしょう。何歳頃までして良いものなのでしょうか。
絵本の読み聞かせに関して年齢的なルールはありません。自分で読みたければ自分で、読んであげるのも何歳になっても良いのです。
大きくなったお子さんに読み聞かせをすることで得られるメリットとはどのようなことでしょう。
親とのコミュニケーション時間を作れる
絵本を一緒に読むことは親子の時間を作るコミュニケーションツールにもなります。
少しずつ親の手を離れ、なんでも自分でできるようになり、親と過ごすよりも友達と過ごすことが楽しくなってくる時期。生活面での声かけや宿題について話すことがあっても、ゆっくりと色々なことを話す時間を持つのは忙しく難しいものですよね。
けれど、絵本は親子で寄添いお話の世界を共有しながらコミュニケーションができる絶好のチャンス。忙しくない時、子どもが「読んで!」と言ってきたときは、ぜひ喜んで読んであげましょう。
絵本を読んであげる時間を持つことは、子どもが保護者に大切にされていると感じるもの。自分の為だけの時間を割いて、向き合い、話すことは表現しなくても何よりうれしいことなのです。
心の充足や安心感、安定感を育みます。
大きくなったお子さんが「読んで!」と言ってくるときは、甘えたいときでもあるのです。
本を読んで欲しい気持ちと、そばに寄添いちょっと甘えたい…そんな気持ちを黙って汲んであげたいものですね。
長いことで途中であきらめることなく最後まで楽しめる
自分で読めるようになったとはいえ、まだまだ挿絵が少ない本や、長い本、文字数が多い本は読み切るのが難しいものです。
保護者が一緒に寄添ってあげたり、保護者が読んであげることで、最後まで諦めることなく集中して読み切ることができるはずです。
また、休憩を入れたり、数日に分けて読み進めてあげることもできるでしょう。長い本を読むコツを自然と身につけていくはずです。
いつか自分ひとりで読めるようなステップに
少し文字が多くストーリーがしっかりある本を読む楽しさを、小さな年齢のうちに体験しておくことは、その後のその子の読書スタイルにもつながっていきます。
本を読むことが楽しく、少し長いお話しも億劫にならず一人で読めるには、集中力や想像力が必要です。また、文字を読むこととストーリーを楽しむことは別のこと。文字を目で追い読む、ストーリーを理解する、イメージしながら読み進めるという行動は、子どもにとっては大変なことなのです。
途中でつまづき、本が嫌いになってしまわないよう、思う存分お子さんと一緒に本を読みましょう。また、読んであげましょう。
保護者と一緒に本を読むことで、一人でお話を読むことができる土台を育みます。
おすすめしたい絵本の紹介
小学生にも読み聞かせしたい楽しい絵本や、笑える本、人気の本をご紹介します。
絵本や本の裏側には、
・読んであげるなら●●歳から
・自分で読むなら●●歳から
など推奨年齢が書かれているときもあります。
ですが、さほど気にすることなく親子で気に入った本や、楽しそう!読んでみたい!と興味を惹かれた本はぜひ読んでみましょう。
小学生に読み聞かせたい絵本①おしゃべりなたまごやき
おしゃべりなたまごやき/寺村輝夫 作 和歌山静子 絵/理論社
寺村輝夫作、ぼくは王さまシリーズの一冊。絵本も数多く出版されていますが、お話しが主になった小学校低学年向けのシリーズも数多く出版されています。
小さな頃、絵本を見たことのあるお子さんもいるのではないでしょうか。子どもにとって身近で友達のような存在の王さまが、本の中でどんな楽しいことをするのか、子どもはワクワク・ドキドキするはず。
わがままでいたずら好きでやんちゃな王さまは、子どもたちが自分と重ね合わせられる愛すべき存在。
ぜひ王さまのたのしい世界を親子で共有してみてください。
小学生に読み聞かせたい絵本②あいうえおばけだぞ
45種類ものおばけたちが、五十音順に紹介されています。本当にそこらにいそうで、やっぱりいないようなおばけたちは、怖いけれど可愛らしく面白く、何度見ても飽きません。
小さなお子さんでも読み聞かせをすれば見られますが、小学生になったお子さんも、自由な発想とユーモアいっぱいのおばけたちに、とても喜びますよ。
読むと、自分でおばけを考え出したり、「今お風呂にゆげおばけがいたよ!」などとお話しの世界を楽しみます。
五十音順や平仮名を覚えるのにもいいですね。ちょっとお化けの存在が怖いと思っている子どもにも笑顔が戻るかも!
小学生に読み聞かせたい絵本③こんとあき
きつねのぬいぐるみ「こん」は、あきが生まれたときから一緒のともだち。おばあちゃんが作ってくれました。けれど、あきの成長と共にこんは少しずつ壊れてきました。
おばあちゃんの所へ行って直してもらうと、2人は旅に出ます。
こんとあき、2人に起きる様々なトラブルが起こり、2人の心情を想像できるイラストに添えられた文章が、心に届きます。
かけがいのない存在、仲間について、家族について、色々な視点で考えることができるはず。また、文章だけではなく主人公の表情やぬいぐるみのこんの温度までつたわってくるイラストが温か。大人も涙したり、ホッと一安心したりと、子どもと一緒に心が揺り動かされる絵本です。
小学生に読み聞かせたい絵本④びゅんびゅんごまがまわったら
校長先生と子どもたちのやり取りが楽しく、うらやましくなるようなストーリー。びゅんびゅんごまが回ったら、遊び場を解放してくれる約束をした子どもたち。
結果はどうなることでしょう。
昔ながらのあそび、びゅんびゅんごまをきっと作って子どもと遊んでみたくなるでしょう。こんなにも自由で学校が開けていて楽しいときがあったんだと、少し懐かしくなりますが、古臭さは感じません。瑞々しい子どもの感情や、校長先生の人間味が伝わってくる素晴らしい絵本です。
小学生に読み聞かせたい絵本⑤はじめてのキャンプ
小学生に混ざって、小さな女子も初めてキャンプに行きました。小さな子はすぐ泣くし、できることが少ないからダメ!と言われた主人公の女の子。それでも負けじと色々なことに挑戦します。
まだまだ小さくてできることは少なく、怖がりの女の子。周囲の大きな子どもたちも引率した大人も分かっているんです。
主人公の女の子が「できた!」という達成感を得られるよう、励ましたり褒めたり見守っている姿もとてもステキです。
主人公の気持ちと、周囲の人たちのあたたかさ。その両方を感じ取ることができますよ。温かな気持ちになる絵本です。
おわりに
小学生になっても、読み聞かせをするものなのか悩んだり迷っている保護者の方は多いかもしれません。もう小学生なのだから自分で本を読むことはできるでしょう…そんな気持ちになりますね。
本を読んであげる時間を通して生まれるコミュニケーションの時間や、親子の語り合い、気持ちの共有、本への興味関心が高まることなど、読み聞かせには多くのメリットがあります。
お子さんが「読んで」と言ってきたときはもちろん、保護者から「一緒に本読まない?」と誘い、読んでみませんか。
親子でステキな時間を過ごしてみませんか。